MINIE MYME TRAIN 永潟三貴生 インタビュー
Q . album「MINIE MYME TRAIN」を発表して、約1年半が経過していますが
今振り返り、アルバムを制作することになった経緯などきかせて下さい。
MIKIO .MMTで一枚目のアルバム「6th sense」を発表したのが1997年でしたが、2000年頃フラメンコに出会い、それから10年ほどはフラメンコを唄うことに専念していました。
その頃は、いままで自分自身が作った歌達のことを、遠い過去のもののように思うところと、”果たして、これから先もこれで良いのか、、”という思いが常にあり、、。
そんな中、以前からMINIE MYME TRAINでサポートしていただいていた大谷レイブンさんと久しぶりに再会し、「また一緒にやろうか」ということになりました。
そして、しばらくリハーサルを重ね、いまのMMTを形にしようということで、新たにアルバムをつくることにしたんです。
Q . album「MINIE MYME TRAIN」は、タイトルがグループ名と同じ
同名タイトルですが、タイトルに込めた想いをきかせてください。
MIKIO . 最初はグループ名も変えようかとも考えましたが、、。
以前、MMTとして大谷レイブンさんとふたりで活動していたときもあり、時が経ってもその時期の空気を思い出すというか、、。やはりMINIE MYME TRAINという名前で良いんじゃないか、ということでまとまったんです。
アルバムをつくるにあたっても、「いまのMINIE MYME TRAINを聴いてもらいたい、感じてほしい、でも大切なことは変わらないよ。」という思いからアルバムタイトルも「MINIE MYME TRAIN」にすることにしました。
Q . 収録曲にAMAZING GRACEがありますが
この曲を収録した理由をきかせてください。
MIKIO . 『AMAZING GRACE』・・・ とても神聖な曲。
日頃から懇意にしているフラメンコのアーティスト達とフラメンコ風にアレンジして、
舞台で何度か披露させていただいたことがあります。
そのときのAMAZING GRACEもとても素敵なものになりましたが、、歌えば歌うほど、簡単に歌えた気になってはいけない曲だな、と思いました。
”神に感謝する”、言葉ではすぐに言えてしまうのですが、「本当にお前は理解できているのか?」と、いつも自問しながら、、。
そういう気持ちを抱いて、MMTでもAMAZING GRACEを歌いたいと思った次第です。
Q . 副題にもなっている『永遠に』の制作経緯もよかったら教えてください。
MIKIO . この曲は札幌で活動されているジャズ・ピアニストの田村誠次さんが作詞作曲された鎮魂歌です。数年前、田村さんの呼びかけで歌い手として参加させていただく機会がありました。
話せば長くなるので、ちょっと端折りますが、、それは、大東亜戦争で戦い亡くなられた方々の、家族や国や故郷を思う気持ち、またその家族の想いを歌う、演奏するというレクイエム・コンサートでした。
今、僕らは当然のように暮らしていってるのですが、こうして存在していることはそのような方々の犠牲があってのことでもあるのだということを忘れてはいけないと強く思うんです。
彼らの想いをこれからも歌いたい旨、田村さんにお伝えし、アルバムに収録させていただくことと、副題にさせていただくことをお願いしたところ、快諾してくださいました。
『永遠に』これからも魂の静かな叫びを歌おうと思っています。
Q . 大谷レイブンさんとの2人グループなわけですが、レイブンさんとの出会い。
また二人で活動している想いなどきかせてください。
MIKIO . 1998年だったかな、バンドで活動している頃、サポート・ミュージシャンとして参加していただいたのが最初で、その後もしばらくご一緒させていただきました。
当時、2ndアルバムをつくるべく、collage a la modeをテーマとした組曲のような形で数曲のデモ録音をしていましたが、残念ながら発表することができなかったんです。アコースティックな曲あり、ハードなプログレッシブな曲ありで、とても気に入っておりました。
そして、、今回、10数年振りにMMTで新たに活動するにあたり、まずはふたりで、以前発表できなかった『collage a la mode』、『あの橋の向こうに』もアコースティックでフューチャーすることにしたんです。削ぎ落とした音で、空間を大切にした表現で。
これからも基本的にはふたりで活動していきますが、バンド・サウンドの楽曲もやりたいな、と思うところもあります。例えば、ピンク・フロイドのような大掛かりで視覚的な表現とかね。これは僕の個人的な願望かもしれませんが、、。
今年の春には、MMT結成当時からのメンバーであるドラムの小田部亮さんと、ベースの工藤和彦さんをサポートに迎えてライブを行いました。
今後も機会があれば、様々な形態でのライブやレコーディングをできたらと思います。
Q . アルバム中に2曲ヴァイオリンの三木重人さんが参加されていますが
。
MIKIO . 三木重人さんは、先に述べたフラメンコの仲間で、気持ちを以心伝心で表現してくれる素晴らしいアーティストです。彼のヴァイオリン、ほんとに良いですね。フラメンコの世界でも引っ張りだこな方です。
『AMAZING GRACE』はもとより、『JERRYBEANS』でもとても繊細な演奏で曲を完成させてくださいましたし、レコーディングも数時間の録音であっという間に仕上がりました。
昨年のCD発売記念ライブでもお忙しい中参加していただき活躍していただきましたよね。
またご一緒できるときがあれば良いな、と思っております。
Q . レコーディングは、ほぼ一発録音でしたが
その拘りとレコーディングしながら感じた雰囲気などをきかせてください。
MIKIO . ”生もの”であることに拘りたいと。
レコーディング技術は進歩しているし、いろいろなことができるのかもしれないけど、僕らにとって一番大切なのは、呼吸であるとか、そのときそのときの空間であったりとか。
だからこそテイクによって全然違ったりして、ああでもないこうでもないと、三村昌也さんにはたいへんご迷惑おかけしましたが、、(笑)。
以前、ソロアルバムを発表したときにも三村さんとつきっきりでスタジオに入りつくりあげました。僕としては今回のレコーディングもそのときの雰囲気ととても似ていて安心して委ねられたんです。
<MINIE MYME TRAIN /永遠に>、このアルバムはたくさんの方々に協力していただいて完成しました。もちろん、皆さんに感謝!です。
Q . 永潟三貴生さんにとって音楽とは?歌とは?その辺のお話をききたいのですが。
MIKIO . 音楽は、生きていく中で常に感じる苦悩から解放されるためのセラピー、のようなもの。
そして歌うことは、そのための手段。
そう考えていた時期があったように思います。
でも今はそうではありません。
それなりにいろいろな経験をし、フラメンコにも出会い、、、
そして、日本も世界もたいへんな時代を迎えて、、
自分自身を表現するためだけに歌うことはこれからの僕にとっては意味のないこと
捧げるために
唄っていきたい
歌わなければ と思うんです。
Q . 今後のMINIE MYME TRAINについてきかせてください。
MIKIO . 次のアルバムをつくることが近い将来のひとつの目標ですが、
ライブ活動も増やしたいと思います。
日本中の様々な場所で演奏することができるよう頑張っていこうと。
MINIE MYME TRAINでまた皆さんに出会えたこと
これも縁
歌うことができなくなる日まで精一杯歌いたいと思います。
インタビュー 2013年10月
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